SQUAREはフィリピンに様々な人脈を持っています。
この福祉関連視察ツアーもそのひとつです。
2023年3月6日 パヤタス(貧困街)訪問
パヤタス・ダンプサイト(Payatas Dumpsite)は、フィリピンのケソン市の北方のルパンパンガコ地区にある廃棄物処理場です。
22ヘクタールの敷地を持つ民営の廃棄物処分場であり、メトロ・マニラの廃棄物を他のいくつかの処分場とともに受け入れている。搬入された廃棄物を地面に積み上げてゆくだけの、開放投棄(オープンダンプ)方式を採用している。南北2つのごみ山がある。
ケソン市庁舎から北東に9kmほど離れた住宅街の中にあり、周辺には学校や教会もある。搬入業者や回収業者のダンプカーがひっきりなしに往復している点を除けばごく普通の市街地である。
パヤタス・ダンプサイトが廃棄物処分場として政府から認可されたのは1973年と言われているが、すでに1960年代から廃棄物の集積が始まっていた[1]。しかし、その名が国際的に知られるようになったのは1990年代になってからである。
かつてメトロマニラ港湾部のトンド地区にスモーキー・マウンテン (Smokey Mountain) と呼ばれる最終処分場が存在した。この処分場はフィリピンの貧困の象徴として各国の批判を浴びたため、1995年11月、フィデル・ラモス大統領によって閉鎖された。
その際、スモーキー・マウンテン周辺で廃棄物を拾って生活していた人々(スカベンジャー(scavenger)と呼ばれる)の多くがパヤタス・ダンプサイト周辺に移住してきた。彼らには新たな住居が用意されてはいたものの、その高額な賃料が払えなかったのである[2]。
かくしてパヤタス・ダンプサイトには1日当たり6334トン(1995年)にのぼる膨大な廃棄物が分別無しに集められ、巨大なごみの山が作られた。そしてその周囲にはスカベンジャー達のバラック、さらには彼らから有価物を買い取る業者のバラックまでが建ち並び、皮肉にもスモーキー・マウンテンに勝るとも劣らないスラムが形成されることとなった[3]。(スクウォッターも参照のこと。)
有害な化学物質や腐敗したごみ山から発生するメタンガスにより住民の健康被害も深刻であった。専門家はごみ山の崩壊の可能性を指摘していたが、処分場が生み出す利益の巨大さとそれによる利権構造ゆえに放置され続けたのである[4]。
そしてついに2000年7月10日午前8時頃、高さ約30m、幅約100mにわたってごみの山が崩落し、約500軒のバラックが下敷きとなった。救出作業は困難を極め、7月22日に捜索は打ち切られた。公式に確認された死者は234名であるが、実際の犠牲者は400名とも800名とも言われる[5]。もともとごみ山の斜面が急すぎたうえ、台風の雨が一週間以上も降りつづいたことが原因であると考えられている。
この大惨事を受けてパヤタス・ダンプサイトは事故から4日後に閉鎖されたが、メトロ・マニラの廃棄物処分場の処理能力が危機的な状況になったため2001年半ばに再開され、現在に至っている[6]。
パヤタス・ダンプサイト – Wikipedia 最終更新 2023年1月25日 (水) 06:51
このダンプサイトを題材にしたドキュメンタリー映画「神の子たち」
2001年に公開された「神の子たち」
2002年シネマアンビエンテ国際環境映画祭 グランプリ受賞作品、2002年ベルリン国際映画祭正式招待作品、2002年モントリオール国際映画祭正式招待作品など話題となった映画です。
スラム街は色々な問題を抱えていますが、そのひとつが女性の性教育だと思います。私の想像ではありますが、バラックの狭い空間に大家族が住んでいて、おのずと親の行為を見ており、あまり違和感がないのではと思っています。
またフィリピンの宗教観で「カトリック」の教えとしては堕胎は許されず、そのようなことをやってくれる医師もまずおりません。また、家族意識の高いフィリピーナにとって赤ちゃんは神からの贈り物であり、SEX自体も聖なる行為であり、避妊をすること自体、神の意志に反するといった感覚です。
食べるものに困っている人たちが避妊具を購入するわけもありません。いわゆる「子供が子供を産む」と言った感じで、12‐13歳(子供が作れる身体)になって妊娠する女の子も多く、当然子育てのため学校に行かなくなり、仕事などもなく、収入が得られないといった負のスパイラルからなかなか抜け出せないのが現状です。
いつかこのツアーで女医さんにご参加頂けたら、このような問題に向き合って頂きたいと思っています。
また、この子供たちを10年間見守って将来的に介護士として日本に働きに来れるようなシステムが出来ればなども考えます。そのようなドネーションシステムが築きあげていけたらと思いますが、やはり悪い誘惑が多い中で、半分以上はドロップアウトするのではないかとも思っております。
※今回、子供達との交流の場を用意しています。ノートやペンなどの文具をお持ち頂けると助かります。ご協力頂けます様お願い致します。
2023年3月26日 La Verna Aged Care and Dementia Village (高齢者福祉施設)訪問
家族としての絆が非常に強いフィリピンでは、親族が高齢者の世話をするのが当たり前となっており、老人ホームというものがほとんど存在しないのですが、数少ない高齢者福祉施設を訪問します。
フィリピンで看護・介護経験があり、日本に働きに来られた方が良く言われるのが「認知症の方のケアをやった事が無い」と言う事です。
これは日本人平均寿命が女性が87歳、男性が81歳ですが、フィリピンの平均寿命は68歳で日本よりも20歳近く低く、ASEANの中では4番目の低さです。
よって認知症になる前に亡くなってしまう方がほとんどで、その経験に乏しいという事です。
そのような現状の中、フィリピン初の認知症対応型施設で専門家を配置していると言う事は、フィリピン人の寿命が延びる事を見越して富裕層をターゲットにして運営しているのではないかと思います。
また会社名がLA VERNA AGED CARE INSTITUTE INCとなっており、会社として営利を目的としているのも興味深いです。
と言いますのも、フィリピンの介護施設はほとんどが教会の基金で運営されているケースで、お世辞にも綺麗といった感じではなく、劣悪な環境のところもあります。
そもそもフィリピン社会は家族の絆が極めて強く、お年寄りは家族で見るというのが当たり前で施設に入れるのはもってのほかといった感じです。
その為施設に入る方というのは、身寄りがない方や行き倒れの方などを収容するシェルター的な役割が強いからです。一時的な保護施設といっても、ほとんどの方がお亡くなりになるまで入居するといった感じです。
この様な環境の中、あえて入居者がいるという事は、フィリピンも遂に都市型の人たちが忙しく面倒を見切れないので預けているのだろうと想像できます。
日本や韓国も同様の道のりを進んできましたが、いよいよフィリピンもその入り口に入っているのかと思うと、他のアジア諸国も同様だと思われ、10年後の介護人材の獲得は現在供給国側である国も需要が生まれ、世界的な人材不足が懸念されるのではないかと思います。
また、こちらの施設は、
- シニア向け居住サービス
- アシストリビング
- ロングタームケア
- 認知症ケア
- デイケアサービス
- ホスピスケア
- レスパイト(休息)ケア
といった多種多様なサービスを行っており、まるで福祉施設のデパートといった感じで、色々な意味で興味のある施設です。そういう意味では入居費用というのは非常に興味があります。今回は時間が無いので難しいですが、教会の基金の運営の施設も視察すると、そのギャップが非常に感じられ勉強になるのではないかと思います。
2023年3月7日 STAR EXPRESS Placement Inc.(送り出し機関)訪問
このSTAR EXPRESS Placement Inc.は、フィリピン海外雇用管理局(POEA)によって正式に認定、認可された民間人材紹介会社です。
1980年の創業以来、看護婦、理学療法士、教師、IT関連、エンジニア、ホテルの従業員、家政婦などの労働者を募集し、送り出してきました。
GraphToChart. 「グラフで見るフィリピンの人口ピラミッド(全年齢・男女別・過去との比較・少子化と高齢社会の考察)」. 最終更新:2020-08-30. https://graphtochart.com/population/philippines-pyramid.php(参照日時:2023-04-23)
上図のグラフの通り、絵に描いたようなきれいなピラミッド型の人口分布のフィリピンは労働人口大国といってもいいのではないかと思います。
国に産業があまりない古くより出稼ぎ大国として世界中に労働者を派遣してきました。
20年くらい前、「世界のクレーンがドバイに集まる」と言われた高層ビル建設ラッシュの際には、建築作業員を大量に送り出し、昨今の高齢化社会においてこれまた多くのCare Giver(ケアギバー)を世界に送り出しています。
家族優先主義のフィリピン人にとって出稼ぎで家族がバラバラになるのは悲劇的な事ですが年に1回、みんなが集まるクリスマスは何事にも代え難い一大イベントで、これを目標に頑張っているという背景もあります。
また、多種多様な職種を世界に送り出している状況で彼らには、給料はいくらくらいもらえるのか?職種はどれがいいか?どの国がいいか?等、色々な選択が出来ます。
我々が主眼とする看護・介護人材に限っていえば、看護師の場合は給料は40万くらいが相場で英語で仕事ができるので、あえて語学の勉強もしなくていい現実の中、日本を選択してくれるというのは稀有な人たちと言っても良いと思います。
またアジアの中でも韓国の外国人労働者の賃金は日本より高くなったと言われてますし、近未来に訪れる中国の高齢化においては人口が多いだけに、大量の介護従事者が必要となり、ますます日本に行くという選択肢は狭まると思います。
さらに悪いことに、これに円安が拍車をかけているというのが現実です。
そういう意味では、外国人を安くこき使う等という考えは全く通用せず、雇用争議などに発展しやすく、やがて世界に相手にされなくなってくると思います。
是非この機会に看護・介護士の需要がどのくらいあって給料がいくらくらいなら良いのか等を現地で、調査したいと思っております。
2023年3月7日 EHMAN Japanese Language Center Inc.(日本語学校)
日本語と日本文化を教える事で、日本で働きたい、生活したい人を支援する目的で2019年3月に設立。日本語の有資格者を育成するためのトレーニングとして、証券取引委員会(SEC)および技術教育スキル開発局(TESDA)に登録されたトレーニング機関です。
日本に働きに行きたい人たちに日本語を教える学校であるが、これまでの実習生の対象業種が農業や漁業、溶接、工事現場、工場などあまりコミュニケーションを必要としない作業がメインの業種であったため、あいさつ言葉である「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございます」などの基本中の基本を教えていました。
その中で工事現場での採用が決まった人など雇用主から「立ち入り禁止」「火気厳禁」など大事なことを重点的に教えてくれ等といった要望も上がってきています。
このような業種に関しては3カ月~5か月くらい勉強して日本に向かいます。授業料に関しては最初は個人負担で採用が決まったら雇用主が負担する場合もあります。
逆に介護人材に関しては、N4(日本語検定4級)が課せられているため、この学習期間が長くなる可能性が高く、平均でも1年くらいと言われています。そのために学費も長期にわたり支払いをしないといけないという事と、多くの人は早く出稼ぎに行き稼ぎたいという思いが強いため、そこまで人気のある職種ではありません。
外国人人材を雇用する際には、現地に面接に行かないのであれば、ほぼ送り出し機関及び受け入れ期間の斡旋になるかと思いますが、現地に行った場合は学校にも行き面接をすることで選択肢が広がり、優秀な人材を選べる可能性が高くなります。
あくまでも私の個人的な所見ですが、今まで「どうして介護職を選んだのですか?」というインタビューした回答としては「お年寄りが好き」という回答がほとんどです。
これは大家族で育った経緯からほとんどのフィリピン人がファミリア精神を有しています。
中には日本語を覚える事で、帰国後に「ガイドや日系企業で働きたい」などといった意見もあり、あえて長い日本語を勉強する理由として将来を見据えた人も多くいます。
前者の現場系の人たちは、稼いで帰ってきてこのお金で豪遊し、結局借金したなどという話もよく聞きますが、介護系の人たちは比較的しっかりとした人が多いような気がします。
今回の視察にあたって学生さんも希望職種によってクラスが分かれていてその中に、行き先が決まった人、これからの人が混在していると想像しますが、是非なぜ日本を選んだのか?何故その職種を選んだのかを調査していきます。
2023年3月7日 Trinity University Of ASIA College Nursing(看護学校)
アジア・トリニティ大学は1963年に設立された私立大学です。さらに歴史が深い大学病院(ST.LUKE’S COLLEGE OF NURSING)も所有しており、1907年に創立されたフィリピンでも最高峰の看護学校です。
大学のNursing(看護学科)というのは、かなりのエリートでその学生さんたちもかなりプライドを持っています。
白衣は学校での制服だろうと思われますが、その白衣で通学している人がほとんどで、それもプライドの表れではないかと思われます。
フィリピンでは大学を卒業した人は100%英語は話せるので、卒業後はフィリピンの病院で勤務する人もいますが、多くは海外に職を求めます。
給料は欧米に行けば40万円はもらえると思います。アジアは国によって違うと思いますがシンガポール、マレーシア、韓国などに行った場合の給与は気になるところです。
ちなみに看護師として日本で働く場合は、現在EPA制度しか方法が無く、その場合の給料は日本人と同等でという条件ですので就職する法人によって変わりますが、20万~25万くらいではないかと推定されます。
ただこのEPA制度は私が思うに、近未来にはなくなる制度ではないかと思われます。
余談で笑い話のような感じですが、フィリピンで大学に行くのは女性が70%、男性20%、トランスジェンダー10%と言われています。女性の社会進出が凄まじいというか、男性がだらしないというか、どちらの表現が良いのかはよくわかりません。送り出し機関の写真からも分かる通り、海外の仕事もどちらかと言えば女性向けの仕事が圧倒的に多く、男性の求人は主に現場作業など力仕事がほとんどです。郊外に行けば陽だまりにハンモックでくつろぐ男たちをよく見かけます。
そういう意味ではこの国も治安が安定し海外の企業(工場)などを誘致し現場仕事を確立していく事が必要ではないかと思います。
2023年3月7日 ST. LUKE’S MEDICAL CENTER – GLOBAL CITY
グローバルシティにあるフィリピンを代表する医療機関。最先端の設備と質の高い医療サービスを提供しており、特に外国人患者から人気の病院となっています。